活動の概要

全国の多くの里地、特に田んぼ周辺にすむホタルが見られなくなった中にあって、稲沢市祖父江町地区に今もわ
ずかに自然自生している ホタルがいます。
「祖父江のホタルを守る会」は、これを保存したい、また、ホタルがすめ
るふるさとの自然環境(生物多様性)を少しでも保存 したいと立ち上がり、ホタルの生息状況調査、保存のための
研究、自然環境保全・生物多様性の大切さについての啓発などの取り組みを続 けているNPO法人です。

活動の理念と取組 ( 詳しく見る )

 稲沢市は、愛知県の西端、濃尾平野のほぼ中央部に位置し、名古屋市に近く、住宅・工場・商業施設などが進出していますが、
  祖父江町は稲沢市の最西端にあり、木曽川左岸に隣接した地区で、まだ畑や水田が多く残っています。

  ここに自然自生する祖父江のホタルは、ヘイケボタル(田んぼのホタル)です。
 2003年(平成15)、全国的にホタルがとても珍しくなってきた当時、わずかながらも祖父江の田んぼのあちらこちらに飛び交う
  ホタルの光に魅せられた数人が、この神秘的な光を絶やしてはならないと仲間に声をかけ合い、
2004年(平成16)年からこの
  会が発足し、活動を始めました。(当初の会員
28名)
  全国ホタル研究会名誉会長の大場信義博士が、平成22年初頭にこの地を訪れました。「U字溝水路で縦横に仕切られた水田
  環境で、ホタルが棲むのは誠に珍しい」、「日本全国で他に類を見ない」と驚嘆され、「是非残したいね」と言葉を残し帰京されま
  した。会員はこの言葉に、地域の誇りを感じ、活動の勇気をもらいました。

  以来、ホタルの飛び交う期間中、町内の生息地125か所の生息調査を続けてきました。また、農家や耕作者への除草剤等軽
  減の呼びかけや依頼、一部ですが、会員による
畔の草刈りなどの活動を続けてきました。
 しかし、祖父江のホタルも、生息数、生息場所ともに減少を続け、5年で半減、特にこの7〜8年はさらに急激に減少しているこ
  とがはっきりしてきました。そこで、田んぼにおける生物多様性の復活とホタルなどの保全をめざし、地主と耕作管理者のご協力
  を得て、2013(平成25)から新しい試み、環境保全型水田〔実験田〕での活動をスタートさせました。

                                                   (詳しくは実験田プロジェクトをご覧ください)

 自然自生のヘイケボタルが棲む、祖父江町地区はどんなところ?
   

 町の位置と特色
 稲沢市祖父江町は愛知県の最西端、木曾川の左岸に接した地区で、自然のようすや人の生活は、木曽川の歴史と深い関係が
 ありました。今までヘイケボタルが自然自生してきたこととも関係があるように思われます。
 また、稲沢市は、冬季には伊吹おろ
 しの吹き抜けるところ(「風の道」)で、かつてはこれを利用した切干し大根の産地でした。特に 祖父江町地区には、北西の風を
 防ぐ屋敷林があったところで、有名な「祖父江(山崎)の銀杏」は、イチョウの木の屋敷林にもなって いたのです

 木曽川との深い関係
 木曽川は、古墳時代末期から鎌倉時代にかけて幾度も大氾濫を繰り返し、そのたびに流路変えてきました。
 天正十四年(1586)の大洪水によって、木曽川の流路がほぼ今の位置に移動し、安定したのは、慶長十五年(1608)のいわゆる
 「御囲堤」がはじめで あると言われます。それまで幾条にもながれていた木曽川の派川は用水路・排水路としても利用されてき
 たということですが、この時すべて仕切られたり掘削されたりして人口河川となりました。

 祖父江町のほとんどはその跡地にあたり、今もその痕跡は、古い街道や家並に見ることができます。

 関連資料
  1999 「木曽川文庫」KISSO Vol.30 1999 春号)
   発行元:建設省中部地方建設局木曽川下流工事事務所

 今も多い水田の割合
  現在、祖父江町の面積は約22ku(2200ha)、そのうち畑494ha、水田531haと、町の1/4近くが水田です。土地改良は比較的早く
  始まり(
1970年代)、コンクリート三面張りの農業用水路は232km(ほぼ木曽川の長さ)、排水路123km(ほぼ揖斐川の長さ)に
  及んでいます。
 〔井用・排水分離〕